この記事では、トップページを作成する際にアクセントとして使える境界線、背景スタイルを紹介します。
スキン「grayish」のサイトに掲載されているいくつかのスタイルを抜粋しています。(製作されたななふさんに掲載の了承をいただいています)
Cocoon以外でも使えますよ。
実際に目次5の「斜めの背景スタイル」を使ったトップページ作成例もご覧ください。
【clip-path】で作るおしゃれな境界線スタイル/境界線をカラムブロックと組み合わせる
例えば、このようにカラムブロックと組み合わせると使いやすいです。カラム内にはブロックを自由に追加できるのでトップページのコンテンツ作成に最適です。
カラムブロック
当記事ではCSSのclip-path
プロパティを使用します。
clip-path
は要素や画像をクリッピングして(切り抜いて)表示できます。- 多角形を描くための
polygon()
関数を使用しています。
以下、境界線スタイルのサンプルとコードを掲載します。
角度を変更する方法
CSSの「height:5vw;
」の数字を大きくするほど、角度が急になります。
フルワイドで使う方法
画面幅いっぱいに広げて使う場合は、境界線の幅も広げてご使用ください。
- ページタイプは「1カラム(広い)」:サイドバー非表示
- 幅をフルワイドにする設定を追加します
margin: 0 calc(50% - 50vw);
/* 画面幅の50%に合わせて左右の余白を調整 */
フルワイドにする方法と仕組みはこちらの記事で解説しています。
【clip-path】で作る境界線/三角形
↑カラム上に追加用
↓カラム下に追加用
三角形/カラム上に追加用
clip-path
プロパティを使って要素を三角形にカットしています。このスタイルは、要素を上向きの三角形の形にクリッピングするために設定されています。
<div class="cstm-clip-upper-kaku"></div>
/* 三角形 上 */
.cstm-clip-upper-kaku {
clip-path: polygon(50% 0%, 0% 100%, 100% 100%);
height: 10vw;
min-height: 5vw;
background-color:#D8E4E5;/*背景色*/
}
各プロパティの解説
clip-path: polygon(50% 0%, 0% 100%, 100% 100%);
clip-path
プロパティは、要素を特定の形にクリッピングするために使用されます。ここではpolygon
関数で三角形を指定しています。polygon(50% 0%, 0% 100%, 100% 100%)
で、3つの頂点を持つポリゴン(三角形)を作成しています。それぞれの座標は次のように設定されています50% 0%
: 要素の上辺中央(上端の中心)。0% 100%
: 要素の左下端。100% 100%
: 要素の右下端。
- この配置により、要素の上側が中央に向かって尖った三角形にクリッピングされ、上向きの山形(上三角形)形状が作られます。
height: 10vw;
- 高さをビューポート幅(
vw
)に応じて10%に設定しています。ビューポートの幅に比例するため、レスポンシブなデザインが可能です。
- 高さをビューポート幅(
min-height: 5vw;
- 最小の高さを5%のビューポート幅に設定しています。画面が小さくなったときでも、この高さ以下にはならないようにしています。
三角形/カラム下に追加用
要素を下向きの三角形にクリッピングしています。clip-path
プロパティを使用して、要素の下端が尖った三角形の形に切り取られています。
<div class="cstm-clip-lower-kaku"></div>
/* 三角形 下 */
.cstm-clip-lower-kaku {
clip-path: polygon(100% 0, 0 0, 50% 100%);
height: 10vw;
min-height: 5vw;
background-color:#D8E4E5;/*背景色*/
}
各プロパティの解説
clip-path: polygon(100% 0, 0 0, 50% 100%);
clip-path
プロパティでポリゴン(三角形)を指定し、要素を切り取っています。polygon
関数内で指定している座標は、三角形の3つの頂点を表します。polygon(100% 0, 0 0, 50% 100%)
の各座標は以下のように配置されます100% 0
: 要素の右上端。0 0
: 要素の左上端。50% 100%
: 要素の下辺中央(下端の中心)。
- この配置により、要素が下向きの山形(下三角形)にクリッピングされます。
height: 10vw;
- ビューポート幅に応じて高さが10%に設定されます。レスポンシブに対応するため、ビューポートのサイズに応じて三角形の高さが変わります。
min-height: 5vw;
- 最小高さを5%のビューポート幅に設定しており、画面が小さくなった場合でも高さが5vw以下にはならないようにしています。
【clip-path】で作る境界線/斜め(右上がりタイプ)
↑カラム上に追加用
↓カラム下に追加用
斜め(右上がりタイプ)/カラム上に追加用
clip-path
プロパティを使用して要素の形を斜めに切り取っています。このスタイルは、右上がりの斜めラインを持つ形状を作成するために使用されます。
<div class="cstm-clip-upper-r"></div>
/* 斜め(右上がりタイプ)/カラム上に追加用*/
.cstm-clip-upper-r {
clip-path: polygon(100% 0, 0 100%, 100% 100%);
height: 5vw;
min-height: 5vw;
background-color:#D8E4E5;/*背景色*/
}
各プロパティの解説
clip-path: polygon(100% 0, 0 100%, 100% 100%);
clip-path
プロパティでポリゴン(三角形)を指定し、要素の輪郭を切り取っています。このポリゴンには3つの頂点が指定されており、右上がりの斜めラインを形成します。polygon(100% 0, 0 100%, 100% 100%)
の各座標は以下のように設定されています100% 0
: 要素の右上端。0 100%
: 要素の左下端。100% 100%
: 要素の右下端。
- この配置によって、要素の上辺が右上がりにカットされた形状になります。
height: 5vw;
- 高さをビューポート幅に対する5%で設定しています。これにより、要素がビューポートサイズに応じて伸縮するため、レスポンシブなデザインに対応します。
min-height: 5vw;
- 最小の高さも5vwに設定しています。ビューポートが小さくなったときに高さが5vw以下に縮まらないように制限しています。
斜め(右上がりタイプ)/カラム下に追加用
clip-path
プロパティを使用して要素の形を右上がりの斜めラインで切り取っています。このスタイルは、要素の下部に右上がりの斜めの装飾を追加するために使用されます。
<div class="cstm-clip-lower-r"></div>
/* 斜め(右上がりタイプ)/カラム下に追加用*/
.cstm-clip-lower-r {
clip-path: polygon(0 0, 0% 100%, 100% 0);
height: 5vw;
min-height: 5vw;
background-color:#D8E4E5;/*背景色*/
}
各プロパティの解説
clip-path: polygon(0 0, 0% 100%, 100% 0);
clip-path
プロパティでポリゴン(三角形)を指定し、要素を切り取っています。polygon
関数で定義される3つの座標が、右上がりの斜めラインを作成します。polygon(0 0, 0% 100%, 100% 0)
の各座標は以下のように設定されています0 0
: 要素の左上端。0% 100%
: 要素の左下端。100% 0
: 要素の右上端。
- これらの点が結ばれることで、下側が右上がりにカットされた形状になります。
height: 5vw;
- 高さをビューポート幅の5%に設定しています。これにより、ビューポートのサイズに応じて高さが変動し、レスポンシブデザインに対応します。
min-height: 5vw;
- 最小高さも5vwに設定されています。画面が小さくなっても、この高さ以下にはならないようにしています。
【clip-path】で作る境界線/斜め(右下がりタイプ)
↑カラム上に追加用
↓カラム下に追加用
斜め(右下がりタイプ)/カラム上に追加用
要素の上部を右下がりの斜めラインでカットするクリッピング効果を作成しています。clip-path
プロパティを使用して、要素の上辺が右下がりにカットされた形状になります。
<div class="cstm-clip-upper"></div>
/* 斜め(右下がりタイプ)/カラム上に追加用*/
.cstm-clip-upper {
clip-path: polygon(0 0, 0 100%, 100% 100%);
height: 5vw;
min-height: 5vw;
background-color:#D8E4E5;/*背景色*/
}
各プロパティの解説
clip-path: polygon(0 0, 0 100%, 100% 100%);
clip-path
プロパティで要素の形をポリゴン(三角形)にクリッピングしています。この設定により、要素の上辺が右下がりの斜めラインにカットされます。polygon(0 0, 0 100%, 100% 100%)
の各座標は次の通りです0 0
: 要素の左上端。0 100%
: 要素の左下端。100% 100%
: 要素の右下端。
- この3つの頂点を結ぶことで、要素の上辺が左から右へ下がる斜めラインにカットされ、下辺が直線となる形状が作られます。
height: 5vw;
- ビューポート幅の5%で要素の高さを設定しています。これにより、ビューポートサイズに応じたレスポンシブ対応が可能です。
min-height: 5vw;
- 最小高さも5vwに設定されています。ビューポートが小さくなった場合でも、要素の高さが5vw以下にはならないようにしています。
斜め(右下がりタイプ)/カラム下に追加用
要素の下部を右下がりの斜めラインでカットするためのスタイルです。clip-path
プロパティを使用して、要素の下辺が右下がりになるようにクリッピングしています。
<div class="cstm-clip-lower"></div>
/* 斜め(右下がりタイプ)/カラム下に追加用*/
.cstm-clip-lower {
clip-path: polygon(100% 0, 0 0, 100% 100%);
height: 5vw;
min-height: 5vw;
background-color:#D8E4E5;/*背景色*/
}
各プロパティの解説
clip-path: polygon(100% 0, 0 0, 100% 100%);
clip-path
プロパティを使用して、ポリゴン(三角形)の形で要素を切り取っています。polygon(100% 0, 0 0, 100% 100%)
の各座標は次の通りです100% 0
: 要素の右上端。0 0
: 要素の左上端。100% 100%
: 要素の右下端。
- これにより、要素の上辺が直線で、下辺が左から右に向かって下がる斜めラインでカットされた形状になります。
height: 5vw;
- 要素の高さをビューポート幅の5%に設定しています。ビューポートに対して相対的に調整されるため、レスポンシブデザインに対応します。
min-height: 5vw;
- 最小高さも5vwに設定しているため、画面が小さくなっても5vw以下には縮小されないように制限しています。
【linear-gradient 】で作るおしゃれな背景スタイル
以下は背景スタイルです。セクション内の背景スタイルとして使うとアクセントが効いてオシャレです。
linear-gradient
は、CSSのプロパティの一つで、背景に線状のグラデーションを適用するために使用されます。グラデーションとは色が滑らかに変化する効果。linear-gradient
を使うと、指定した2つ以上の色が一定の方向でグラデーション(色の変化)を作り出します。
background-image: linear-gradient(方向, 色1, 色2, ...);
- 方向:グラデーションが始まる方向を指定します。角度(例えば
45deg
や-90deg
)やキーワード(to right
やto top
)を使います。 - 色1, 色2, …:グラデーションで使用する色を指定します。2色以上を指定することができます
斜めの背景
斜めの背景
- CSSコピペ
- セクション枠にクラス「bg-diagonal」追加
linear-gradient
を使用して斜めの背景グラデーションを作成しています。--bg-color
と--white
の2つのカラー変数を使い、指定された角度と位置で色の切り替えがおこなわれています。
<div class="bg-diagonal"></div>
/* 斜めの背景 */
.bg-diagonal {
--bg-color:#D8E4E5;
--white: #fff;
background-image: linear-gradient(-45deg, var(--bg-color) 0%, var(--bg-color) 60%, var(--white) 50%, var(--white) 100%);
}
各プロパティの解説
--bg-color: #D8E4E5;
と--white: #fff;
- CSSカスタムプロパティ(変数)として背景色と白色を定義しています。これにより、これらの色を
linear-gradient
内で参照することができます。
- CSSカスタムプロパティ(変数)として背景色と白色を定義しています。これにより、これらの色を
background-image: linear-gradient(-45deg, var(--bg-color) 0%, var(--bg-color) 60%, var(--white) 50%, var(--white) 100%);
linear-gradient
を使用して、-45度の斜め方向にグラデーションがかかるように指定しています。- 各色の位置は以下の通りです
var(--bg-color) 0%
:--bg-color
で設定された色が開始地点(0%)に適用されます。var(--bg-color) 60%
:--bg-color
の色が60%の位置まで適用されます。var(--white) 50%
:ここで白に切り替わり、50%の位置から白に変わります。var(--white) 100%
:白が100%の位置まで適用され、背景の残り部分が白で覆われます。
この「斜めの背景」を使ったトップページの例がこちらです!
背景にぼかしを入れたグラデーション
背景をぼかしたスタイルも可能です。
ぼかしたグラデーション背景
- CSSコピペ
- セクション枠にクラス「bg-gradation」追加
斜めの境界で異なる色が分かれる背景が作成されます。--bg-color
の色から始まり、途中で--white
に切り替わることで、-45度の角度で斜めに分かれた2色の背景を表現します。
<div class="gradation"></div>
/* 背景にぼかしたグラデーション */
.bg-gradation {
--bg-color:#D8E4E5;
--white: #fff;
background-image: linear-gradient(-45deg, var(--bg-color) 0%, var(--bg-color) 50%, var(--white) 70%, var(--white) 100%);
}
各プロパティの解説
--bg-color: #D8E4E5;
と--white: #fff;
- CSSカスタムプロパティ(変数)を使い、2つのカラー変数を設定しています。これにより、複数の場所でこの色を変更することなく一貫して使用できます。
background-image: linear-gradient(-45deg, var(--bg-color) 0%, var(--bg-color) 50%, var(--white) 70%, var(--white) 100%);
linear-gradient
で、斜め(-45度)の方向に徐々に色が変わるように設定しています。- 各色の位置は以下の通りです:
var(--bg-color) 0%
:--bg-color
の色がグラデーションの開始地点(0%)に適用されます。var(--bg-color) 50%
:--bg-color
が50%の位置まで持続し、ここまでが色の濃い部分になります。var(--white) 70%
: 50%から70%の間で徐々に白色へ変化し、ぼかしがかかったような効果を生み出しています。var(--white) 100%
: 白色が100%の位置まで適用され、背景の残り部分が白で覆われます。
直角の背景
直角にした背景を入れてもおしゃれですね!
直角の背景
- CSSコピペ
- セクション枠にクラス「bg-square」追加
直角に色が切り替わる背景を作成するために、linear-gradient
プロパティを使用しています。斜めではなく、水平に2つの色が切り替わる直線的な背景です。
<div class="bg-square"></div>
/* 直角にした背景 */
.bg-square {
--bg-color:#D8E4E5;
--white: #fff;
background-image: linear-gradient(-90deg, var(--bg-color) 0%, var(--bg-color) 60%, var(--white) 50%, var(--white) 100%);
}
各プロパティの解説
--bg-color: #D8E4E5;
と--white: #fff;
- CSSカスタムプロパティ(変数)を使って色を定義しています。
--bg-color
は薄い青緑色で、--white
は白です。
- CSSカスタムプロパティ(変数)を使って色を定義しています。
background-image: linear-gradient(-90deg, var(--bg-color) 0%, var(--bg-color) 60%, var(--white) 50%, var(--white) 100%);
linear-gradient
で直線的に色が変化するグラデーションを設定しています。-90deg
は水平方向にグラデーションを適用することを意味しています(左から右へのグラデーション)。- 色の変化が次のように指定されています
var(--bg-color) 0%
:--bg-color
(薄い青緑色)がグラデーションの開始地点(0%)に適用されます。var(--bg-color) 60%
:--bg-color
の色が60%の位置まで続きます。var(--white) 50%
: 50%から白色(--white
)に切り替わります。この部分で少し不自然に見えるかもしれません。実際には、50%から白が始まるので、グラデーションが少し逆転しています。var(--white) 100%
: 白色が100%の位置まで適用され、背景の残りの部分が白になります。
カラーの他に、linear-gradientの%部分の数字を変えると、ぼかしや色をつける範囲などを調整できます。いろいろ試してみてください。
【clip-path】で画像を切り抜いてみる
以下は画像をclip-pathで任意の形に切り抜く例です。
Clippy — CSS clip-path maker で自由にレイアウトが作れるのでいろいろ試してみてください。
三角形に切り抜き-1
逆三角形に切り抜いています。
CONTENTS
<div class="clip-path-img-1"></div>
/*三角形に切り取り-1*/
.clip-path-img-1{
clip-path: polygon(100% 0, 100% 80%, 50% 100%, 0 80%, 0 0);
}
三角形に切り抜き-2
三角形に切り抜いています。
CONTENTS
<div class="clip-path-img-2"></div>
/*三角形に切り取り-2*/
.clip-path-img-2{
clip-path: polygon(100% 0, 100% 100%, 50% 85%, 0 100%, 0 0);
}
斜めに切り抜き-1
右上がりに切り抜いています。
CONTENTS
<div class="clip-path-img-3"></div>
/*斜めに切り取り-1*/
.clip-path-img-3{
clip-path: polygon(0 0, 100% 0, 100% 80%, 0% 100%);
}
斜めに切り抜き-2
右下がりに切り抜いています。
CONTENTS
<div class="clip-path-img-4"></div>
/*斜めに切り取り-2*/
.clip-path-img-4{
clip-path: polygon(0 0, 100% 0, 100% 100%, 0 80%);
}
まとめ/【clip-path】で作る境界線を利用してオリジナルトップページに
スキン「grayish」の「フロントページ向けのブロックパターン詰め合わせ」記事から、境界線に使えそうなおすすめを抜粋して紹介させていただきました。「grayish」は他にも豊富な情報満載なのでチェックしてみてください。
また、当サイトではCocoonテーマのサイト型トップページの作り方を紹介しています。当記事の境界線と組み合わせると、アクセントのあるオリジナルトップページが作れますよ。
この記事は以上です。
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