
CSSを書いたけど反映されない…
HTMLとCSSを使ったカスタマイズでは、思わぬ原因でスタイルが適用されないことがよくあります。せっかく時間をかけて書いたコードや、正しいはずのコピペコードが動かないと本当に困ってしまいますよね。
CSSが反映されない原因は、記述ミスの他、ブラウザのキャッシュやスタイルの競合、優先度の問題などさまざまです。この記事では、デベロッパーツールを使ってCSSの適用状況を確認する方法と、反映されないときの具体的な対処法をわかりやすく解説します。
「CSSが効かない…」と悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてスムーズに問題を解決しましょう!
デベロッパーツールを使うメリットとは?
CSSが反映されないとき、最初に試してほしいのがデベロッパーツールを使った確認です。このツールを活用することで反映されない原因を効率的に特定できます。使い方をマスターしておくとトラブルシューティングがスムーズになります。
デベロッパーツールを使うことで、以下のようなメリットがあります。
CSSの適用状況を正確に把握し、素早く問題を解決するためにデベロッパーツールを活用しましょう。
デベロッパーツールの開き方
デベロッパーツールは主要なブラウザで利用可能です。以下の方法で開くことができます。
- Google Chrome / Microsoft Edge
F12キー
またはCtrl + Shift + I
右クリック → 検証
を選択


デベロッパーツールでCSSの反映を確認する方法
デベロッパーツールでCSSの適用状況を確認する手順を紹介します。
- 対象の要素を選択
- 確認したい要素を右クリック
- デベロッパーツールの
Elements
(または要素
)タブを開く
- デベロッパーツールの
- 確認したい要素を右クリック
- 適用されているCSSをチェック
Styles
(またはスタイル
)タブで適用されているCSSを確認
選択したHTML要素に自分で追加したCSSが表示されているかどうか。(元々の親テーマのCSSではなく、自分で追加したCSSの内容です)
- 表示されていれば反映されている
- 表示されていれば反映されていない

CSSが反映されている場合のチェックポイント

追加したCSSが反映されているにもかかわらず期待通りのスタイルが適用されない場合、以下の点を確認しましょう。
CSSの優先度を確認する
CSSの優先度が低いと他のスタイルに上書きされている可能性があります。以下の方法で優先度を確認してください。
- デベロッパーツールのStylesタブを開き、該当要素に適用されているスタイルを確認します。
- 打ち消し線(取り消し線)がついているスタイルは、他のスタイルによって上書きされています。
/* 例:このスタイルは優先度が低く、上書きされている */
.header {
background-color: red;
}
CSSのセレクタには、以下のように優先度があります。
CSSのセレクタの優先度を確認する
CSSセレクタの優先度は以下の順で高くなります。
!important
を指定したルール- インラインスタイル(
style="..."
) - IDセレクタ(
#id
) - クラス・属性・擬似クラス(
.class
:hover
など) - タグセレクタ(
div
p
など)
!important
を指定したルール
.header {
background-color: red !important;
}
特定のスタイルを強制的に適用したい場合、!important
を使用します。
注意: !important
の多用は管理が難しくなるため、必要な場合にのみ使いましょう。
- インラインスタイル
<div style="color: red;">
- IDセレクタ
#header {
background-color: blue;
}
- クラスセレクタ
.header {
background-color: red;
}
- タグセレクタ
h2 {
background-color: green;
}
CSSのセレクタが適切か確認する
適用するセレクタが意図した要素に正しく紐づいていない場合があります。クラスやIDの指定方法が適切か、HTMLとの整合性を確認してください。
- 基本的にクラスセレクタを使用し、一貫性を持たせる。
- セレクタが詳細すぎる場合、簡略化を検討する。
同じ優先度のセレクタが競合する場合、CSSファイル内で後に記述されたものが優先されます。
CSSの優先順位については下記ページで詳しく記載しているのでご確認ください。
CSSの記述場所の確認
CSSが反映されない原因として、CSSの記述場所が適切でない場合があります。以下の順序でCSSが適用されることを理解し、適切な場所に記述するようにしましょう。
CSSが適用される順番
- ワードプレスのカスタマイザー「追加CSS」
- 投稿ページ内「カスタムCSS」
- テーマ設定
- 子テーマのスタイルシート(子テーマを使用している場合)
- 親テーマのスタイルシート (
style.css
)
対策
基本的には、子テーマのスタイルシートに統一して記述することをおすすめします。
メディアクエリ
メディアクエリは画面サイズやデバイスの種類に応じてスタイルを適用するためのCSSの機能です。これを正しく理解しないと意図したスタイルが表示されない場合があります。
例:画面幅600px以下の場合に適用されるCSS
以下の例では、画面幅が600ピクセル以下のときに背景色を変更するスタイルを記述しています。
@media (max-width: 600px) {
.header {
background-color: blue;
}
}
他のスタイルと競合しない記述を
メディアクエリやCSSの優先度を考慮し、意図したスタイルが他のスタイルに打ち消されないよう修正しましょう。
CSSが反映されない場合の原因と対処法

CSSが適用されない場合、以下の要因が考えられます。
HTMLの書き間違い
HTMLに誤りがあるとCSSが正しく適用されません。特に以下の点を確認してください。
- タグの閉じ忘れや入れ子の誤り
- クラスやIDのスペルミス
<!-- 閉じタグを誤った例 -->
<div class="header>
<h1>Welcome to my site</h1>
<div><!-- 間違い -->
<!-- 正しい例 -->
<div class="header">
<h1>Welcome to my site</h1>
</div><!-- 正しい -->
<!-- headerのスペルミスの例 -->
<div class="heder"> <!-- 間違い -->
<h1>Welcome to my site</h1>
</div>
<!-- 正しい例 -->
<div class="header"> <!-- 正しい -->
<h1>Welcome to my site</h1>
</div>
CSSの構文エラー
CSSに構文エラーがあると特定のスタイルが適用されません。以下によくある間違いをリストアップします。初心者でも確認しやすいポイントを押さえましょう。
よくあるミス例と解決策
- セレクタの記述ミス
× 間違い: header { ... }
〇 正解: .header { ... }
クラスセレクタの前には必ず.
(半角ピリオド)をつけます。
× 間違い: header { ... }
〇 正解: #header { ... }
IDセレクタの前には必ず#
(半角シャープ)をつけます。
- プロパティの区切り記号 ; の抜け
- 各プロパティを区切るときには ;(半角セミコロン)を忘れないようにします。
/* 間違い */
.header {
background-color: red
color: white;
}
/* 正解 */
.header {
background-color: red;
color: white;
}
- 閉じカッコ
}
のミス
/* 抜けている場合 */
/* 間違い */
.header {
color: white;
/* 正解 */
.header {
color: white;
}
/* 多すぎる場合 */
/* 間違い */
.header {
color: white;
}
}
/* 正解 */
.header {
color: white;
}
- コメントアウトのミス
CSSのコメントアウトは/* ... */
で囲む必要があります。
/* 間違い */
// このスタイルは無効化されています
/* 正解 */
/* このスタイルは無効化されています */
- 全角スペースの混入
- 特にコピーペーストや日本語入力後に発生しやすく、見つけにくいので注意してください。
/* 間違い */
.header { /* 全角スペースが入っています */
color: white;
}
/* 正解 */
.header { /* 半角スペースに修正 */
color: white;
}
CSSの構文エラーは見つけにくいものも多いですが、基本のポイントを抑えて慎重に確認すれば解決できます。特に、セレクタ記述や記号の抜け、スペースの確認に注意しましょう。
インラインスタイルやJavaScriptによる上書き
インラインスタイル(HTMLタグ内にスタイルを直接入力する方法)やJavaScriptによってスタイルが上書きされている場合もあります。デベロッパーツールで、該当の要素にインラインスタイルが設定されていないか確認します。
<!-- インラインスタイルの例 -->
<div class="header" style="background-color: yellow;">
<h1>Welcome to my site</h1>
</div>
/*CSSで設定*/
.header{
background-color: pink;/*背景色をピンクにしたい*/
}
HTMLで直接インラインスタイルstyle="background-color: yellow;"
が入っているため、上記のCSSは反映されません。
不要なスペース(文字列)の削除
コードをコピペした際に不正な文字列が入ってしまうことがあります。
CSSの前後のスペースを削除しましょう。

私の経験上、コード自体に間違いがないのに、CSSの前後のスペースを消したりコードを整列するだけで反映されることが多々あります。
コードのインデント(整列)
コードをスペースまたはタブキーで整列することをおすすめします。
- スペース:半角スペース4つ分(一般的に4スペース)で1レベルのインデントとすることが多いです。
- タブ:タブキーを押してインデントを設定します(設定によってはタブ1つがスペース4つ分に相当します)
/* インデントなし */
body {
font-family: Arial, sans-serif;
color: #333;
}
.header {
background-color: #f5f5f5;
padding: 20px;
}
/* インデントあり(スペース4つの場合) */
body {
font-family: Arial, sans-serif;
color: #333;
}
.header {
background-color: #f5f5f5;
padding: 20px;
}
CSSコードのインデントは他にも以下のメリットがあります。
- 見やすさの向上
- メンテナンスの容易さ
- コードの構造の把握
普段から綺麗なコード記述を心がけましょう。
CSSのエラーチェックに活用できるサイト
CSSの記述ミスや構文エラーを検出するために、専用の検証ツールを活用すると便利です。
W3C CSS 検証サービス
「W3C CSS 検証サービス」は、CSSの文法エラーや仕様に準拠していない記述をチェックできる無料のオンラインツールです。
- 公式サイト:W3C CSS 検証サービス
- 使用方法:
- 検証したいCSSコードを入力する
- URLを指定して、Webページ全体のCSSをチェックすることも可能
- 「検証する」ボタンを押すと、エラーや警告が表示され、修正点を確認できる
このツールを活用することで、CSSの品質を向上させ、予期しないデザイン崩れを防ぐことができます。

CSSが反映されない原因としてのキャッシュ問題

ブラウザやワードプレスのキャッシュが原因で変更が反映されないことがよくあります。以下の方法でキャッシュをクリアしてみてください。
ブラウザキャッシュのクリア
- Google Chrome: 設定 > プライバシーとセキュリティ > 閲覧履歴データの削除
- Firefox: 設定 > プライバシーとセキュリティ > クッキーとサイトデータ > データの消去
ワードプレスキャッシュのクリア
- キャッシュプラグインを使用している場合は、プラグインのキャッシュをクリア(またはプラグインを無効化すると反映された事例がありました)
- テーマ側のキャッシュ機能をオフにすることも検討してください。
まとめ:デベロッパーツールでCSSの適用状態をしっかり確認しよう
CSSが反映されない場合、デベロッパーツールを活用して原因を特定することが重要です。
チェックするべきポイント。
- CSSの優先度
- CSSの記述場所
- メディアクエリなど
- スペルミス
- 構文エラー
- インラインスタイル
- コードのインデント(整列)
これらの手順を踏むことで、CSSの問題を効率的に解決できます。初歩的な全角スペースがどこかに入っている、スペルミスや書き間違いが圧倒的に多いの根気よく確認しましょう!
解決できない際は以下の記事もご覧ください。キャッシュについてなど、反映されないときの対策がより具体的に書いてあります。
公式 WordPressテーマ設定(CSS等含む)を変更しても反映されない場合のトラブルシューティング方法
また、CSSを使ったカスタマイズの手順について、以下の記事にまとめていますのでご覧ください。
この記事は以上です。
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